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色のお話:最古の色土色系の始まり

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土色って歴史が古いですよね。子供の頃に、ちょっとでも色の違う粘土層の石を見つけては、書ける石と大事に隠した覚えがあります。(どのようなところに住んでいたのかって感じです。。。)古代の人たちもそのような感じで書ける石を見つけて粉にして壁画とかに色をつけていたのかな?なんて考えます。オーストラリアに来てこの大きな大陸を旅して、色豊富さに驚きました。いろいろな色の書ける石を見つけられそうだと思いました。 イエロー・オキサイド トランスパレント・イエロー・オキサイド オーストラリアン・シェンナ ロー・シェンナ バーント・シェンナ イエロー・オキサイド   イエロー・オーカーがアーティストによって使われた歴史は、3万年前にも及び、一番古いものはレッド・オーカーによって描かれています。レッド・オーカーを顔料として使った痕跡は、6万年も前の話になります。現在残っている絵はないのですが、40万年前のアフリカ南部で、オーカーの顔料が使われたという議論を呼ぶ主張もあります。石器時代のアマゾンやニューギニアの山では、オーカーをボディペイントとして、川沿いの粘土を使用していた痕跡が残っています。この場合、ほとんどがレッド、イエロー、ホワイト色の粘土が使われましたが、このように使用された顔料は、化石として残りにくく、イエロー・オーカーが初めから使われていたのかを立証するのは難しいのです。 オーカーとは全てのアース・カラー、土から採れた色という意味を持ちますが、古代ではオーカーはイエロー・オーカーにのみ使われました。名称は古代のギリシャの言葉、オーカーから来ており、それはイエローという意味でした。 そして何千年もの間この色は使われ続けて、今日でもアーティストのパレットに必要な色として残っています。もしもアーティストが、黄色の色を一色しか持てなかった場合、その一色はイエロー・オーカーになることでしょう。なぜなら、カドミウム・イエローのように明るい色は作れなかったとしても、これらの明るい色は自然界には少なく、イエロー・オーカーのようなアース・カラーは自然界に限りなくあるからです。人間の肌の色にも役に立つ色で、人物画家や風景画家に取ってはとても便利な色と言えるでしょう。 19世紀半ばまでは自然からとれた原料を使っ...

色のお話:グリーン2

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オーストラリアって特殊な 大陸なのは知っていますよね。子供をポッケで育てる便利なポケットを持っているカンガルーや、やけにのんびりしてほとんど寝ているコアラ君たち、自然の色も土地柄の色があります。もちろん他から持ってこられたものもたくさんあるのですが、それでも土の色や木の色、緑、空気、空や海、やっぱりオーストラリアらしい色です。オーストラリアンカラーは、マティスの絵具にたくさん作られているのですが、私は日本人好みする色だと思っています。なぜでしょう? グリーングレー クロミウム・グリーン・オキサイド オーストラリアン・サップグリーン オーストラリアン・イエロー・グリーン マティス・エメラルド パーマネント・グリーンライト グリーングレー グリーン・グレー(アンティーク)は柔らかなグレーで、伝統的なデービスグレーに似た色です。ただ、デービスグレーが持っていたザラザラ感や弱さを取り去った色です。中間色は、自然界でとても良くある色で、アーティストは常にこれらの色を使っています。これの混色は明るめの色から作ることができますが、150年もの間とても人気のある色、グリーン・グレーやペインズ・グレーなどの色をチューブで持っていることはとても便利なのです。ヘンリー・デービーは、イギリスの南部のロマンチックな遺跡、石造りの建物の水彩やエッチングの作品を作り、アートを教えていたアーティストです。この建築物への興味が彼の顔料への興味をもたらせて、スレートを粉砕したものにイエロー・オーカーとブラックを混ぜて、グリーンがかった石の遺跡の色を作り出しました。この色自体は、風景画のアーティストの間でも人気のものと証明されておりますが、少数派は、この色のザラザラ感を好みます。近代では、ロマンチックな遺跡を書くことはあまりありませんが、グリーン寄りのーは風景画でとても役に立つ色です。 グリーン・グレー(アンティーク)はモダンな混合で、その昔に使われていた色の短所は持ち合わせておらず、アーティストの好む少しのグリーン寄りのグレーを持ち合わせています。これはフタロ・グリーンにホワイトとブラックを混ぜた、とても保存性に高い色です。グレーとして風景画に使うことも、または、その他の色を作るベースとしても使えます。オーストラリアン・ゴースト...

色のお話:グリーン1

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グリーンは、黄色と青を混ぜたらできるって幼稚園か小学校ぐらいで習いましたよね。その色の変化が不思議でしかたなかったのを覚えています。今回のグリーンも二つに分けます。一回でと思っていたのですが、数えたらちょっと多かったので分けることにしました。自然の中でもグリーンの色の数は多いですよね。木々や植物、光合成をするものは、緑の光を吸収しないので緑色に見えるのですね。それにしても身近な自然を見てもたくさんの緑が存在します。それぞれの色の歴史も面白いので、それらを知ることで感受性の幅にもなるかもしれませんね。 アクア・グリーンライト フタロシアニン・グリーン オーストラリアン・オリーブ・グリーン フッカーズ・グリーン アルパイン・グリーン アクア・グリーンライト アクア・グリーン・ライトは、ほとんどのアーティストにとってとても新しい色で、古代の色というよりも21世紀のファッションの色のように思われています。そこに間違いがない、とは言えません。アクア・グリーン・ライトは、全く同じ色ではありませんが、5000年も使われてきた自然にできた銅によるグリーン色、マラカイトに似た色です。イスラエルの鉱山ティムナ谷で、ソロモン王が3000年もの間マラカイトを採掘していたと信じられており、未だに行われているものです。この宝石は、今ではアーティスト用の絵の具よりも重要なことに使われています。マラカイトは、アクア・グリーン・ライトより少し濃い色で、あまり明るく綺麗な色ではなく、フタロ・グリーンと少しのブラックを混ぜて作れる色です。この綺麗なグリーンは古代のエジブトの絵に残っており、この色は喜びを表していました。古代のエジブト人はこの色を、 Wahdj と呼んでおり、象形文字でグリーンのシンボル(今日ではネクタイのような見た目のもの)の下に 3 粒の砂が書かれています。 マラカイトは、保存性は高かったのですが、その色の薄さに悩まされていたため、コバルト・グリーンが開発された18世紀ごろに、アーティストたちから使われなくなりました。フタロシアニン・グリーン(ブルーより)とホワイトを混ぜた混色がこの色の代わりになります。保存性が非常に高いと同時に、色の強さが混色をする際にとても役に立ちます。さらに色味も綺麗なことが利点で、補色を少し混ぜる...