色のお話:ブルー2
ブルーの第二弾です。ブルーには歴史的に見てもとても古いものが含まれています。何千年も前からあった色も安全性や安定を求めて改良されてきました。顔料の歴史の中には、それぞれの用途がとても興味深く再確認されていきます。特にブルーは原色の一つです。歴史が深くとても面白いものと思えるのではないでしょうか。そして歴史がある絵具であるほど、その色を使う時、その時間も込めて作品の制作をしていると思うと、あなたの作品が歴史の流れの中にあることを感じ、制作意欲も高まるのではないでしょうか?色の背景を知って、絵を描くことを楽しんでみて下さい。 プルシャン・ブルー セルリアン・ブルー コバルト・ブルー コバルト・ターコイズ オーストラリアン・ブルーガム サザンオーシャン・ブルー コバルト・ティール プルシャン・ブルー マティスのプルシャン・ブルーは本当に「わぁ!」と声が出てしまうような色です。フタロシアニン・ブルーが、初めにアクリル絵の具が 作られた頃の基本の暗いブルーとされていたのには、プルシャン・ブルーが、アルカリ性の乾燥していないアクリル絵の具に、影響を受けやすく、不安定な状態になってしまうからでした。プルシャン・ブルーは工業水準でしたが、その後の色の開発は百年以上行われませんでした。なぜならこの色はその状態でもよく売れたからです。そのため、ある階級のもので、粗末に作られたものもありました。ある製造者は、これらの色は洗濯剤に入れられることが多いので、品質はそれほど必要ではなかったのだと推測しています。この無頓着さがそのまま不実なアーティスト画材の製造会社で作られたため、20世紀の中頃にはプルシャン・ブルーの評判にはムラがありました。 そして近年になってやっと、プルシャン・ブルーは本当の姿を見せはじめたのです。昔使っていた色の構造では扱えない製造の種類が、どんどんと増えてきています。産業を支えるために化学者は、近年のモダンなプラスチックやペイントとして使える品質の新しい色を開発しました。この為、高品質で前世紀のように、悪く粗末なプルシャン・ブルーで悩まされることがなくなったのです。マティスでは長い間新しい種類の色の試験をし続け、その長い道のりの結果マティス・プルシャン・ブルーが出来上がりました。プルシャ...